オイコノミア 経済学は“自由”を目指す リバタリアン・パターナリズム 知らないうちに誘導「ナッジ」




◇放送局・放送日時
Eテレ・2018/2/28(水)・22:00~

◇内容(なんとなく)

ゲスト:中村文則(作家)
『土の中の子供』第133回芥川賞受賞
又吉とは10年来の付き合い

経済学は自由な意思を尊重する

◆対義語から見える自由とは何か?

又吉「自由の対義語は自由
選択肢があまりにも多いから

中村文則「小説家が一番困るのが1行目

「固定される」「存在が規定される」
常識の一線を越えるのは傍から見れば自由だが、本人は越えざるを得ない状況にある
選択肢が事実上1つしかないから

「自由」とは自分で自分のことを決めること
ちゃんと考えて選べること

「服従」とは他人が自分のことを決めること

◆あなたならどうする?決闘をする自由

To be, or not to be, that is the question
生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ
ハムレットの名文句

100年ほど前まで世界の多くの国で決闘は禁止されていなかった

何が自由な行為として認められるか
おせっかいが入るか

時代や政治が介入する

後悔する機会すら奪ってしまう決闘の自由というのは認めない方がよい

【リバタリアニズム(自由至上主義)】
個人が自由に判断し決定することを尊重した立場
自由を尊重する立場

哲学者・ジョン・スチュアート・ミルは愚行権を主張
本人の幸せは本人が決めるのだから愚かに見えてもやらせてやれ

中村文則「僕の人生は愚行の連続…人に迷惑をかけなければどんな愚行でもいいのではないか

本当の愚行ではない
その社会においてはたから見ると愚かに見える

【パターナリズム(温情主義)】
本人の利益になるならば自由の制限を認める立場
おせっかいを尊重する立場

例:ヘルメット着用の義務
ノーヘルメットの自由を安全のために政治が介入したパターナリズム

◆知らないうちに誘導?経済学の手法ナッジ

【リバタリアン・パターナリズム】
自由を尊重しながら上手くおせっかいする

【ナッジ】(肘でそっとつつく)
人をそれとなく誘導する手法
あくまで選ぶ側の自由な選択に任せる

リチャード・セイラー
2017年 ノーベル経済学賞受賞

うまく初期設定されると人は行動を誘導される
結果としてその人にとって良い選択ができる
自由な選択をしているのは本人というのがポイント

【アイデンティティ・マーケティング】
自分のイメージも自分でお金を払って買う

◆“自由”を奪う“貧困”を考える

いくら自由な選択ができるといっても出されたメニューがひどい場合がある

自由市場でも同じ

「自由のサイズは所得で決まる」

アマルティア・セン
1998年アジア初のノーベル経済学賞受賞
「貧困は人間の自由を奪う」

職業は自己選択だとはいえない

中村文則「みんな自由だと思っているけど実は自由じゃない

ジャン・ジャック・ルソー
「奴隷の幸福」

中村文則「ナッジが良い方に使われればいいが、悪い方に使われる場合がある
本当の貧困を貧困と捉えずに貧困層がいないようにするごまかし

又吉「悩みを言ったら本質を無視して「もっと大変な人が居る」と言われるのと似ている

中村文則「そういう風潮が少しずつ増えている気がする

中村文則「自分の書きたい自由を行使する

又吉「想像・空想することは自由…それを得るために行動できるか・チャレンジできるか…そこまであって自由

人が少しでも多くの選択をできる社会を作る
機会が広く開かれていることが選択にとって大事

中村文則「他人に迷惑をかけず自分とは違う人の自由についても同時に考えていく…他人も自由であってほしい

自由を求めると同時に不快な他者を引き受けることをセットで

「寛容」のバランス

【又吉直樹の経済ポエム】

「自由」の反対は「自由」とか言うといかにも狙ってる感じになってしまう…などと考えることは自由か?不自由か?

【次回】
ひふみん参上!将棋人生の経済学

◇出演者
又吉直樹

坂井豊貴(慶応義塾大学教授)

中村文則

空気階段(鈴木もぐら、水川かたまり)

◇クレジット(一部)
<音楽>void ov void

<うた>ロコムーン

<CG>阿部伸吾

<題字>又吉直樹

<ナレーション>朴ろ美(「ろ」は王ヘンに路)

<イラスト>浅生ハルミン

<撮影>石井有生

<取材>中村侑太郎

<ディレクター>橋本皓平

<プロデューサー>田川友紀

<制作統括>吉村恵美

<制作>NHKエデュケーショナル

<制作協力>テレコムスタッフ

<制作・著作>NHK