◇放送局・放送日時
Eテレ・2018/3/28(水)・23:00~
◇内容(なんとなく)
「論文」
学術研究の成果を記した文
年間推定500万本以上の論文が発表される
論文は「自分の論」
テーマ:痴漢
プレゼンター:向井慧(パンサー)
◆手はどのように知覚されるのか? -臀部における触判断の検討-
電子情報通信学術研究報告:信学技報 112(443), 2731, 2013-03-13
日本大学文理学部教授
厳島行雄
認知心理学の専門家
実際の刑事事件の現場を再現するなどの鑑定人の実績も持つ
痴漢事件の冤罪を証明するため
客観的証拠が出ず被害女性の供述が唯一の証拠となる場合が多い
→お尻の感覚
共同研究者
神奈川大学マルチモダール研究所
大森馨子
「倫理審査委員会」
医学や心理学など人を対象とする研究において人権や安全を守るために設置されている
研究対象者に負担をかける研究は承認されない
臀部の感覚を基に裁判をするしかないが臀部の感覚は低い
およそ半数がカバンの面が当たっている状態を手と間違えた
★論文の結論
臀部の触感はあいまい。その記憶に基づく供述を唯一の証拠として判決を下すことはえん罪事件を生じさせる可能性あり
痴漢犯罪は女性にも男性にとっても敵
痴漢の問題は犯人が逃げおおせている
▼精神保健福祉士・社会福祉士
斉藤章佳
『男が痴漢になる理由』
(※Amazonへリンク)
痴漢は捕まらないように入念に準備している
◆禅と痴漢
日本語・日本文化 44, 73-84, 2017-03-31
大阪大学日本語
日本文化教育センター准教授
岩井茂樹
「痴漢」
(1)愚かな男。ばかもの。たわけもの。
(2)女性にみだらな行為をする男。
(※「日本国語大辞典」より)
「痴漢」という言葉が禅問答に使われていた
禅の世界での「痴漢」
悟りを開くことのできない愚か者という強い罵倒の言葉
14世紀ごろ中国から伝わり「愚か者」として「痴漢」という言葉が広まっていった
▼岩井准教授の別の論文
痴漢の文化史:「痴漢」から「チカン」へ
出歯亀事件
銭湯ののぞき、強姦、殺害事件
犯人は出っ歯の亀太郎
「最悪の愚か者」と報道されたことで性犯罪のイメージがついてしまった
最近では「痴漢」という言葉が中国に逆輸入?
岩井先生の論文のタネ
・「です・ます」歌の誕生と変遷
・入れ墨とデコトラの文化比較
・絵画の人物はなぜこちらを向かないのか?
好奇心さえあれば論文は書ける
◇出演者
田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、中山果奈アナウンサー
向井慧(パンサー)、梨衣名
厳島行雄、岩井茂樹
◇クレジット(一部)
<ナレーション>石澤典夫アナウンサー
<プロデューサー>萩島昌平
<取材>笹原恵
<ディレクター>小宮大
<制作統括>大古滋久
<制作・著作>NHK